世界遺産アカデミーについて

メッセージ

ユネスコ事務局長からの当法人設立へのメッセージ

 このたびは、特定非営利活動法人「世界遺産アカデミー」の設立、誠におめでとうございます。心よりお祝い申し上げます。
 設立60周年を迎えるユネスコは、文化の多様性を守っていくことが21世紀の人類の重要な課題であるとの認識の下、従来より世界遺産の保存に努めてきております。現在、世界遺産登録数は788件を数え、ユネスコ加盟国のうち世界遺産条約の加盟国は180カ国にものぼりますが、(※数字は世界遺産アカデミーが設立された2005年2月時点)これもまさに世界遺産に対する関心の高まりの証であり、誠に喜ばしいことであると思っています。とりわけ日本は、世界遺産の保護・修復に関し、従来よりユネスコを通じて資金的・技術的協力を積極的に行っていますが、世界遺産アカデミーは世界遺産の意義、重要性に関する普及・啓発を更に促進していく上でとても重要な役割を担うものであると期待しております。
 また、このような官民あげて、世界遺産の普及・保護促進への取り組みが推進されることは、グローバル化や通信手段の発達により失われつつある文化の多様性をしっかりまもっていくべしという、我々の人類にとっての共通の使命に必ずや貢献するものと確信しております。
 今後の世界遺産アカデミーのご発展をあらためて心よりお祈り申し上げます。

2005年2月22日
国連教育科学文化機関(ユネスコ)
第8代事務局長 松浦 晃一郎

会長メッセージ

 特定非営利活動法人 世界遺産アカデミーは、全人類共通の財産である「世界遺産の保全とその意義や重要性に関する啓発」を基本理念に2005年2月に設立し、本年で満3年を経過いたしました。
 この基本理念をもとに、世界遺産検定事業および啓発・広報イベント事業等を核に、一歩一歩進化させてまいりました。本年もこれら事業等のさらなる拡充を図ってまいります。今年度から理事長や事務局長を含め、役員の一部を新たに迎え、体制を一新させることになりました。そして「よりオープンな」、「よりニュートラルな」機関として、さらに皆さまと共に社会に貢献できるよう邁進したいと考えております。ご存知の通り、観光立国推進基本法が一昨年に制定され、今年10月には国土交通省観光庁が立ち上ります。世界遺産アカデミーにおいても、世界遺産の観光コンテンツとしての大きな価値を強く認識しております。同時に学校教育においても、世界遺産は文化の多様性や自然の驚異などを子供たちに具体的に提示できる、重要な題材であると捉えております。世界遺産とは人類すべてにとって大切なものだという理解を深めるとともに、地域や郷土を愛する「こころ」を育む啓発教育活動の一翼を担うべく、教育機関と連携・協力してまいります。これら様々な活動により一般市民・ボランティアの方々の世界遺産への関心を高め、我々とともに啓発活動や保全・保護活動を積極的に運営できる人材の育成を進めてまいりたいと考えております。また今年度は初めて世界遺産検定の等級の最上位である「マイスター」クラスの試験を実施します。ここで合格した方々とも、一緒にテーマを設定しプロジェクト化し、新しい活動の方向を生み出します。さらに将来を担う小・中学生に対しては、検定の入門者クラスを今後新たに設置するために、Webシステム等も含め広く学習方法や受検方法を開発する方向で構想中です。
 これらの我々に与えられた大きな使命と、新たなムーブメントを起こすことに対してご理解とご賛同いただき、世界遺産アカデミーへのご協賛、ご支援を賜りますようお願いする次第であります。

2008年6月吉日
NPO法人 世界遺産アカデミー
会長 愛知 和男