2011年 第35回世界遺産委員会 速報

25件の新規物件が決定！

2011年6月19日からフランス、パリのユネスコ本部で開催されていた、
第35回世界遺産委員会が6月29日に閉会しました。

この委員会で、文化遺産21件、自然遺産3件、複合遺産1件の合計25件が
新規登録物件として世界遺産リストに記載されることが決定しました。
世界遺産登録数は、936物件となります。

今回新たに、バルバドスとアラブ首長国連邦から
世界遺産が登録されました。

また今回は、日本からも『平泉』と『小笠原諸島』が登録されるなど、
私たちの記憶に残る、世界遺産委員会でした。
これで日本の世界遺産は、文化遺産12件、自然遺産4件の
合計16件になりました。

来年2012年の第36回世界遺産委員会は、
ロシアのサンクトペテルブルグで開催されます。

以下に、今回の委員会で新規登録された物件の一覧と、
範囲拡張や変更などがあった遺産について記載します。

■□■ 新規登録物件 ■□■
■ 文化遺産（21件）
01. メロエ島の考古遺跡【スーダン共和国】(ii)(iii)(iv)(vi)
　 Archaeological Sites of the Island of Meroe
02. コンソの文化的景観【エチオピア連邦民主共和国】(iii)(v)
　 Konso Cultural Landscape
03. モンバサのフォート・ジーザス【ケニア共和国】(ii)(v)
　 Fort Jesus, Mombasa
04. サルーム・デルタ【セネガル共和国】(iii)(iv)(v)
　 Saloum Delta
05. レオン大聖堂【ニカラグア共和国】(ii)(iv)
　 León Cathedral
06. 歴史都市ブリッジタウンとその要塞【バルバドス】(ii)(iii)(iv)
　 Historic Bridgetown and its Garrison
07. コロンビアのコーヒー農園の文化的景観【コロンビア共和国】(v)(vi)
　 Coffee Cultural Landscape of Colombia
08. コースとセヴェンヌ、地中海性農業牧草地の文化的景観【フランス共和国】(iii)(v)
　 The Causses and the Cévennes, Mediterranean Agro-pastoral Cultural Landscape
09. アールフェルトのファーグス靴工場【ドイツ連邦共和国】(ii)(iv)
　 Fagus Factory in Alfeld
10. イタリアにおけるロンゴバルド人勢力の中心地域（紀元568～774年）【イタリア共和国】(ii)(iii)(vi)
　 Longobards in Italy. Places of the power (568-774 A.D.)
11. トラムンタナ山脈の文化的景観【スペイン】(ii)(iv)(v)
　 Cultural Landscape of the Serra de Tramuntana
12. アルプス山脈周辺の先史時代の掘立柱住居群
　　【スイス連邦・オーストリア共和国・フランス共和国・ドイツ連邦共和国・イタリア共和国・スロベニア共和国】
　　(iii)(v)
　 Prehistoric Pile dwellings around the Alps
13. ブコビナとダルマチアの都市型住居【ウクライナ】(ii)(iii)(iv)
　 The Residence of Bukovinian and Dalmatian Metropolitans
14. シリア北部の古代集落【シリア・アラブ共和国】(iii)(iv)(v)
　 Ancient Villages of Northern Syria
15. エディルネのセリミエ・モスクとその関連施設【トルコ共和国】(i)(iv)
　 Selimiye Mosque Complex at Edirne
16. アル・アインの文化的遺跡群（ハフィート、ヒリ、ビダ・ビント・サウードとオアシス群）
　　【アラブ首長国連邦】(iii)(iv)(v)
　　Cultural Sites of Al Ain (Hafit, Hili, Bidaa Bint Saud and Oases Areas)
17. ペルシャ庭園【イラン・イスラム共和国】(i)(ii)(iii)(iv)(vi)
　　The Persian Garden
18. 杭州にある西湖の文化的景観【中華人民共和国】(ii)(iii)(vi)
　　West Lake Cultural Landscape of Hangzhou
19. 胡朝の要塞【ベトナム社会主義共和国】(ii)(iv)
　　Citadel of the Ho Dynasty
20. モンゴルのアルタイ山脈にある岩面画群【モンゴル国】(iii)
　　Petroglyphs Complexes of the Mongolian Altai
21. 平泉－仏国土（浄土）をあらわす建築・庭園及び関連する考古学的遺跡群－
　　【日本】(ii)(vi)

■ 自然遺産（3件）
01. 大地溝帯にあるケニアの湖沼群【ケニア共和国】(vii)(ix)(x)
　 Kenya Lake System in the Great Rift Valley
02. ニンガルー・コースト【オーストラリア連邦】(vii)(x)
　 Ningaloo Coast
03. 小笠原諸島【日本】(ix)
　 Ogasawara Islands

■ 複合遺産（1件）
01. ワディ・ラム保護地域【ヨルダン・ハシェミット王国】(iii)(v)(vii)
　 Wadi Rum Protected Area

■□■ 登録範囲を拡張した遺産 ■□■
◆ 登録範囲を拡張した遺産（1件）
01. カルパティア山脈の原始ブナ林とドイツの古代ブナ林
　　【スロバキア共和国・ウクライナ・ドイツ連邦共和国】(ix)
　　Primeval Beech Forests of the Carpathians and the Ancient Beech Forests of Germany
　　スロバキア共和国・ウクライナの「カルパティア山脈の原始ブナ林」を拡大

■□■ 危機遺産 ■□■
■ 危機遺産リストを脱した遺産（1件）
01. マナス野生動物保護区【インド】(vii)(ix)(x)
　　Manas Wildlife Sanctuary

■ 危機遺産リスト入りした遺産（2件）
01. リオ・プラタノ生物圏保存地域【ホンジュラス共和国】(vii)(viii)(ix)(x)
　　Río Plátano Biosphere Reserve
02. スマトラの熱帯雨林遺産【インドネシア共和国】(vii)(ix)(x)
　　Tropical Rainforest Heritage of Sumatra

（カッコ内のローマ数字は登録基準）

※ この文章は、ＵＮＥＳＣＯホームページに掲載されているニュースをもとに
執筆・編集しています。
　 https://whc.unesco.org/en/news/776（英語）　　 https://whc.unesco.org/fr/actualites/776/（仏語）

※ 新規登録物件および範囲拡張物件の遺産名はまだ正式決定のものではありません。
　 また、その日本語訳も世界遺産アカデミーが独自に付けたものであり、
　 今後変更の場合があります。

※ 本文の無断転載はご遠慮ください。