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京都・宇治 平等院「日没への思慕 世界遺産の夕べ」特集レポート

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(2014-12-15更新)

京都・宇治の世界遺産、平等院にて、4月16日(土)に世界遺産イベント
「日没への思慕 世界遺産の夕べ」が開催されました。
実際に参加されたWHA正会員・吉澤雄吾さんからのレポートをご紹介します。

<<京都・宇治 平等院「日没への思慕 世界遺産の夕べ」特集レポート>>

 平安時代末期に藤原頼通が極楽浄土をこの世で再現しようと宇治の地に建てた別荘、平等院。1,000年の時を超え、
今ここに存在していることにロマンと驚きを感じる。どの時代の人々も「大切なものを守りたい」「未来に受け継いで
いきたい」そんな想いを形として遺している。庭園から池越しに阿弥陀如来を見て、思わず浸ってしまった。

                      
                        夕暮れの鳳凰堂。ロマンですねぇ☆

 さて、2011年4月16日に開催された世界遺産イベントのタイトルは「日没への思慕 世界遺産の夕べ」。
浄土院という場所で、総勢200人が参加。年齢層は私のような20代から80代ぐらいまで。全ての年代の方々に
受け入れられる世界遺産の力を改めて感じます。最初にこのイベントを企画した細田さんから挨拶があり、
日本旅行作家協会常任理事の八重野さんによる開会の言葉。平等院住職である神居文彰さんの講話。
東海大学観光学部の松本亮三教授による「中米 マヤの死生観」の講義。
その後、ABCの3グループに分かれて特別拝観。私はCグループだったので、
ミュージアム→養林庵書院(江戸時代初期の絵師・狩野山雪の障壁画がありました)→鳳凰堂を見学。ラストは
鳳凰堂の池の前で、ハープや小鼓による演奏。日没の夕陽を背に「日想観」(落日の日輪‐つまり夕陽‐を媒体として
佛国土を観想する一種の瞑想法)を感じるという趣向を凝らした演奏会でした。

                        
         みなさん阿弥陀さんが見たくてウキウキ♪              最高のしだれ桜。

 特に印象に残ったことは、平等院住職である神居文彰さんの講話。出会いがあれば別れもあると言う「縁起」に
ついて、パソコンの映像を使って、丁寧にわかりやすく話して下さいました。私が何より引き寄せられたのは
その話し方。お寺の住職なのに、格式ばった感じではありませんでした。年齢がお若いと言うことあるのでしょうが、
学校の先生のような、同じ目線で話しかけてくれる姿勢に共感を覚えました。その住職のお言葉で「写瓶」という
言葉があります。瓶の水を他の瓶に移し替えることを言い、仏教の奥義を師から弟子にもれなく伝えることを意味し
ます。時は流れても本質は変わらないのだと、とても感銘を受けました。

 3月11日に東日本大震災が発生し、多くの方々の命が天災によって失われました。そして被災地では今も困難な
状況が続いています。私の家族も東京にあり、また茨城や関東地方に親戚がいることから、とても他人事だとは
思えません。今回の震災で環境がガラッと変わりました。失ってしまったものは戻ってこないかもしれません。でも、
だからこそ変わらない大事なものがあるのではないでしょうか。それは人の優しさであったり、温かみであったり、
絆や和であったり……それらは目でみることは出来ません。でも、確かに存在している。心があるから感じることが
出来る。人として生まれてきた幸せを住職のお言葉を聞きながら、噛みしめていました。
                           

 今回のイベントのテーマに「日想観」があります。正直なところ、今の僕には分かりません。ただ、沈みゆく夕陽に
以前、何かを感じたことがありました。あれは大学4年生の春。就職活動が思うようにいかず落ち込んでいた時、
玄関のガラスから温かい西日が差し込んできました。小さな光線のような優しい光が沈んだ私の心をパッと晴れやかに
してくれたのです。「失敗してもまたチャレンジしたらいい」。今まで苦しいと感じていたのが、自分の思いこみであったと
理解し、それと同時に、自分だけでなく周りの人も同様に苦しんでいるのだとも感じました。「自分だけ諦めるわけには
いかない」。心が内だけではなく、外に向き始めた瞬間です。周りに支えられて今の自分があるのだと気づいてから、
不思議と肩の力が抜け、自然体になることができました。住職のお言葉を借りると「縁起」。私たちは無数の縁を頂いて
今を生きているのだと改めて実感しました。

                       
        これぞ極楽浄土。1,000年の時を超えて。      ベストショット!鳳凰が輝いています!!

 演奏会では、最初に黙祷。「アメージング・グレース」を追悼曲に、その後は「桜」や「うしろの正面だあれ」などが
演奏されました。全ての人に元気と希望を。世界遺産には人を元気にする力があると信じています。「頑張ろう日本」。
桜が美しく咲き誇る京都から日本中にエールを送ります。みんなでより良い世の中にしていきましょう!

 最後に。現地レポーターという大役を担わせて下さいました世界遺産アカデミーの方々に心からお礼を申し上げます。
本当にありがとうございました。これからの世界遺産アカデミーの益々の発展と世界遺産を愛してやまない全ての人の
幸せを願って、結びの言葉とさせて頂きます。世界遺産大好き!!

                                                  
                                                春の桜と鳳凰堂。コントラストが素敵!

                                        (WHA正会員・世界遺産現地レポーター吉澤雄吾)