● マイスターのささやき:GW関西世界遺産紀行 ~マイスターが限界にチャレンジ・7日でいくつ回れるか!?~その①
◆ GWを決定づけた一冊の本
「ホンダさん、はいこれ」
職場で同僚が手渡してくれたのは「関西パワスポWalker」なる雑誌でした。
ここ数ヶ月、やたらとパワースポットを訪問し(世界遺産である「日光の社寺」も
パワスポ的見地から言うとかなり強力らしいです)、
昼食時に面白おかしく話していたので、大阪出身の同僚が
地元に帰省したときに購入した本を貸してくれたのです。
関西かあ・・・・
目の前に置かれた「関西パワスポWalker」が、去年の冬の大阪訪問を思い出させました。
あのときは、悪天候で高野山に行くのをやめたんだった・・・
代わりに興福寺に阿修羅を見に行こうとしたら、国宝館リニューアルのために休館だった・・・
GWを約1ヵ月後に控えた4月初旬。
東京で生活するわたしは、震災のショックからも、徐々に気分的に立ち直ってきていました。
「関西パワスポWalker」は、そんなわたしの背中をふっと押してくれたんです。
軽すぎる押され方であることはこの際問わないでください。
申し遅れましたが、世界遺産検定マイスターの本田陽子です。
マイスターといえども、もちろん得意・不得意分野があります。
正直にいいますが、わたしは関西方面の世界遺産について、さっぱりわかっていませんでした。
たまに講師をさせていただくこともありますが、ふわっとした知識しかないものを人前で
説明することの申し訳なさや気持ち悪さもありました。
なにせ、「古都奈良の文化財」、「法隆寺地域の仏教建造物」、暫定リストの「飛鳥・藤原の宮都とその関連資産群」の区別もついてなかったくらいです。(やばい、言ってしまった・・・)
そこで、今回は、みっちり予習して現地でひたすら世界遺産を回ることに決めました!
関西の世界遺産が自分の中で「腑に落ちる」レベルになるまで持っていこうと。
与えられた日数は、7日間(普通にお勤めしてるので)。
行き先は、京都・奈良・高野山にしよう。
かなり暑苦しいので、「マイスターの『ささやき』」というより「うめき」に近いと思いますが、
どうぞよろしくおつきあいください。
◆ 準備がイノチです
旅するとなると、準備しているときが最もテンションがあがっているかもしれない。
やることはたくさんあります。交通の手配、宿の手配、ルート決め、スケジュール決め。そして現地の下調べ。世界遺産となった物件の予習。
数日かけて、まず東京~大阪間の長距離バスを予約し、現地の友人に連絡をとり、なんとなくルートやスケジュールを決めて、京都と奈良のゲストハウスを予約しました。
そしてようやく世界遺産となっている訪問予定先の予習に入りました。
わたしがマイスターを取得してよかったと思うのは、「もう試験のための勉強をする必要がない」ということです。マイスターを取るまでというのは、世界遺産関連のことを見聞きしても、なんとなく受験対策のことが頭をちらついていたような気がします。広く浅く押さえておかないと、というような。だけど、今は、好きなことを好きなように調べることができるんです。こういう感覚、2級とか1級をお持ちの方はなんとなくわかってもらえるんじゃないだろうか・・・?
そして調べるにつけ、かなり無謀な計画を立てていることがわかってきました。
「古都京都の文化財」を構成するのは17の資産群、
「古都奈良の文化財」は8つ、「法隆寺地域の仏教建造物」は2つ、これに高野山が加わる・・・・
7日(移動を差し引くと賞味6日ちょっと)で28箇所!
いくら本人に限界まで挑戦する気があっても、物理的に無理である。
わたしもいいオトナなので、いくつかは計画から外そう。(泣く泣くカット)
「京都」からは比叡山延暦寺、天龍寺、高山寺、西芳寺といった中心地から少し離れるところ。
「奈良」は・・・「古都奈良」と「法隆寺」は行けそうな気がする。
さすがに暫定リストの「飛鳥」と、「紀伊山地の霊場と参詣道」に含まれる吉野は無理か。。
それにしても、です。上記を差し引いたところで、調べても調べても時間が足りません。
ある程度各遺産の概要がわかってきたら、今度は寺社の解説本、次に仏像の見方(宮澤やすみさんの本はわたしのような仏像初心者にはすごく面白かったです)、高野山にも行くから曼荼羅の見方、、、という具合に、次から次へと図書館で本を借りました。あとは某スピリチュアル・カウンセラーが書いた関西のパワースポット巡りの本とかも(笑)。
わたしが利用している図書館は30冊も本の貸し出しをしてくれるのですが、窓口のお姉さんから「これ以上貸し出せません」と言われる始末。
各寺社の拝観時間や、GWならではの特別拝観も調べ、京都のバスのルートも調べ、
さらには現地通からおいしいレストランやおしゃれカフェなんぞも教えてもらい、たくさんの本が散乱する中でネットで調べたりノートを取ったり・・・・
まだ旅に出ていないのに、読んでるみなさんのほうがぐったりしてきたんじゃないでしょうか。
もちろんわたしもぐったりしたわけですが、ああ時間がたりない、って思いながら
自分の好きなことを調べているときってほんとに幸せだとも思いました。
そんだけぐったりしながら調べ物をしてる最中に、GW最終日に世界遺産学習を共にしている仲間内で
発表をすることがきまり、「バルト三国の世界遺産」をテーマに選ぶなどという高いハードルを自分に課してしまいました。
旅から帰ってきた3日後に発表・・・。
京都⇒奈良⇒高野山⇒バルト三国⇒京都・・・ってな感じで、頭の中も部屋の中もますますぐちゃぐちゃになっていくのでした。
そしてGW前になんとか形にしておこうと思った「バルト三国」、いまいち峠を越えた感がなく、
この際旅先にパソコンを持っていって、夜に続きをやればよいのだ!という結論に達しました。
拝観時間が終わってしまえば、あとは宿でのんびりできるし。
結論からいうと、旅先で「バルト三国」について考えた時間は正味10分です・・・・
もう「バルト三国」はいいから、早く旅の話に移りなさいよ、という声が聞こえてきたので、次回から
ちゃんと旅の話をします。いざ、高野山!
はじめは世界遺産の解説本に書き込みをしてましたが(上)、余白に書ききれなくなって
結局ノートを取りました(下)。下鴨神社と上賀茂神社のページですが、パワスポ好きなので、自然と力が入ってます(笑)。