2010年 第34回世界遺産委員会 速報
21件の新規物件が決定!
2010年7月25日からブラジルのブラジリアで開催されていた、
第34回世界遺産委員会が8月3日に閉会しました。
この委員会で、文化遺産15件、自然遺産5件、複合遺産1件の合計21件が
新規登録物件として世界遺産リストに記載されることが決定しました。
世界遺産登録数は、911物件となります。
地域格差をなくすというグローバル・ストラテジーに沿って、
今回新たに、マーシャル諸島とキリバス共和国、タジキスタン共和国から
世界遺産が登録されました。
また今回、「ビキニ環礁-核実験場となった海」や「オーストラリアの囚人収容所遺跡群」が登録されるなど、
「平和のとりで」としての世界遺産、という位置づけが
より明確になってきたように感じます。
以下に、今回の委員会で新規登録された物件の一覧と、
範囲拡張や変更などがあった遺産について記載します。
■□■ 新規登録物件 ■□■
■ 文化遺産(15件)
01. ディライーヤのツライフ地方【サウジアラビア】(vi)(v)(vi)
At-Turaif District in ad-Dir’iyah
02. オーストラリアの囚人収容所遺跡群【オーストラリア連邦】(iv)(vi)
Australian Convict Sites
03. オアハカの中部渓谷にあるヤグルとミトラの先史洞窟【メキシコ合衆国】(iii)
Prehistoric Caves of Yagul and Mitla in the Central Valley of Oaxaca
04. カミーノ・レアル・デ・ティエラ・アデントロ-メキシコ内陸部の王の道【メキシコ合衆国】(ii)(iv)
Camino Real de Tierra Adentro
05. ハノイの昇龍(タン・ロン)遺跡-帝国要塞の中心部門【ベトナム社会主義共和国】
(ii)(iii)(iv)
Central Sector of the Imperial Citadel of Thang Long – Hanoi
06. ビキニ環礁-核実験場となった海【マーシャル諸島共和国】(iv)(vi)
Bikini Atoll, nuclear tests site
07. アムステルダム中心部-17世紀の環状運河地区【オランダ王国】(i)(ii)(iv)
Seventeenth-century canal ring area of Amsterdam inside the Singelgracht
08. 登封の歴史的建造物群-天地之中【中華人民共和国】(iii)(vi)
Historic Monuments of Dengfeng in “The Centre of Heaven and Earth”
09. サン・クリストーヴンのサンフランシスコ広場【ブラジル連邦共和国】(ii)(iv)
Sao Francisco Square in the Town of Sao Cristovao
10. 司教都市アルビ【フランス共和国】(iv)(v)
Episcopal City of Albi
11. 河回村と良洞村の歴史的集落群【大韓民国】(iii)(vi)
Historic Villages of Korea: Hahoe and Yangdong
12. サラズム-原始都市遺跡【タジキスタン共和国】(ii)(iii)
Proto-urban site of Sarazm
13. タブリーズの歴史的バザール群【イラン・イスラム共和国】(ii)(iii)(iv)
Tabriz Historic Bazaar Complex
14. アルダビールのシャイフ・サフィ・アッディーン廟と神殿群
【イラン・イスラム共和国】(i)(ii)(iv)
Sheikh Safi al-din Kha-nega-h and Shrine Ensemble in Ardabil
15. ジャンタル・マンタル-マハラジャの天文台【インド】(iii)(iv)
Jantar Mantar
■ 自然遺産(5件)
01. スリランカ中央高地【スリランカ民主社会主義共和国】(ix)(x)
Central Highlands of Sri Lanka
02. フェニックス諸島保護地域【キリバス共和国】(vii)(ix)
Phoenix Islands Protected Area
03. レユニオン島-峻峰と圏谷、その外縁【フランス共和国】(vii)(x)
Pitons, cirques and remparts of Reunion Island
04. 中国の丹霞山【中華人民共和国】(vii)(viii)
China Danxia
05. プトラナ台地【ロシア連邦】(vii)(ix)
Putorana Plateau
■ 複合遺産(1件)
01. パパハナウモクアケア-ハワイ海洋文化遺産【アメリカ合衆国】
(iii)(vi)(viii)(ix)(x)
Papahanaumokuakea
■□■ 登録範囲を拡張した遺産 ■□■
◆ 登録範囲を拡張した遺産(8件)
01. サン・ジョルジオ山【スイス連邦・イタリア共和国】(viii)
Monte San Giorgio
スイス連邦の「サン・ジョルジオ山」を拡大
02. グラーツ-歴史地区とエッゲンベルク城【オーストリア共和国】(ii)(iv)
City of Graz – Historic Centre and Schloss Eggenberg
「グラーツの歴史地区」を拡大
03. コア渓谷とシエガ・ベルデの先史時代の岩壁画【ポルトガル共和国・スペイン王国】
(i)(iii)
Prehistoric Rock-Art Sites in the Coa Valley and Siega Verde
ポルトガル共和国の「コア渓谷の先史時代の岩壁画」を拡大
04. ランメルスベルク鉱山とゴスラーの歴史地区、ハルツ山地上部の水利システム
【ドイツ連邦共和国】(i)(ii)(iii)(iv)
Mines of Rammerlsberg, Historic Town of Goslar and Upper Harz
Water Management System
「ランメルスベルク鉱山とゴスラーの歴史地区」を拡大
05. スチェヴィツァ修道院の復活聖堂【ルーマニア】(i)(iv)
Church of the Resurrection of Sucevita Monastery
「モルドヴァ地方の教会群」を拡大
06. レーロースの鉱山都市【ノルウェー王国】(iii)(iv)(v)
Roros Mining Town and the Circumference
名前はそのままで拡大
07. ピリン国立公園【ブルガリア共和国】(vii)(viii)(ix)
Pirin National Park
名前はそのままで拡大
08. ンゴロンゴロ自然保護区【タンザニア連合共和国】(iv)(vii)(viii)(ix)(x)
Ngorongoro Conservation Area
名前はそのまま、自然遺産から複合遺産へ
■□■ 危機遺産 ■□■
■ 危機遺産リストを脱した遺産(1件)
01. ガラパゴス諸島【エクアドル共和国】(vii)(viii)(ix)(x)
Galapagos Islands
■ 危機遺産リスト入りした遺産(4件)
01. カスビのブガンダ王国の王墓【ウガンダ共和国】(i)(iii)(iv)(vi)
Tombs of Buganda Kings at Kasubi
02. バグラティ大聖堂とゲラティ修道院【グルジア】(iv)
Bagrati Cathedral and Gelati Monastery
03. アツィナナナの熱帯雨林【マダガスカル共和国】(ix)(x)
Rainforests of the Atsinanana
04. エヴァーグレーズ国立公園【アメリカ合衆国】(viii)(ix)(x)
Everglades National Park
(カッコ内のローマ数字は登録基準)
※ この文章は、UNESCOホームページに掲載されているニュースをもとに
執筆・編集しています。
https://whc.unesco.org/en/news/647/(英語) https://whc.unesco.org/fr/actualites/647(仏語)
※ 新規登録物件および範囲拡張物件の遺産名はまだ正式決定のものではなく、
その日本語訳も世界遺産アカデミーが独自に付けたものであり、
今後変更の場合があります。
※ 本文の無断転載はご遠慮ください。