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■ 研究員ブログ⑨ ■ 奈良YEAR!

平城京遷都1300年に当たる今年、
僕は奈良に何度か足を運ぶことができました。

奈良ってとてもよろしい。
京都のような華やかさはないですが、
その分ゆったりとした大人の落ち着きを感じます。
それは悠然とした平城京の時の流れを、
春日山の木々や寺社たちが体で覚えているからかもしれません。

奈良では今年、「せんとくん」でも有名になった
平城京遷都1300年祭が行われているのですが、
2010年は光明皇后1250年御遠忌の年でもあります。

光明皇后は、東大寺の建立を命じた聖武天皇の皇后で、
聖武天皇が逝去した後、聖武天皇縁の品々600点以上を東大寺に寄進しました。
その品々の多くは正倉院に納められており、
今年、東大寺大仏の足下から発見された宝刀、
「陽寳劔(ようほうけん)」と「陰寳劔(いんほうけん)」も
かつては正倉院宝物として納められていたものでした。

奉納した光明皇后自身が正倉院から持ち出したとされ、
1000年以上も行方不明であったこの2本の宝刀が、
光明皇后1250年御遠忌の年に発見されるなんて、
光明皇后が現れて教えたんじゃないか、
……なんて思うのは僕だけですね。

しかし平城京遷都1300年祭も終盤に近づいたところで、
奈良がまた注目を集めたのは確かです。

奈良YEAR の締めくくりとして、
世界遺産アカデミーでは、東大寺清涼院住職 森本公穣 氏をお招きして、
『平城京遷都1300年と東大寺』というテーマで、
関西地区初の特別講演会を実施します。

森本公穣 氏は、若くして東大寺二月堂修二会で何度も参籠されており、
それ以外にも多くの法要や講演をこなされるなど、
幅広く活躍をしていらっしゃいます。
2010年の総まとめとして、興味深いお話を伺えると思います。

聖武天皇による東大寺の大仏造立の詔の中に、
「動植咸く栄えんことを欲す」
という言葉があります。
人間だけでなく動物や植物も共に栄えることを願う、
というコトですが、
小鳥にまでイエスの教えを説いた聖フランチェスコを思い出しました。

フランチェスコは「自然保護の聖人」でもあります。
今年が国連の国際生物多様性年でもあることを考えると、
またまた世界遺産を通じた思索はリゾーム的に広がってゆくのです。
まぁ、何も考えがまとまっていない、とも言いますが。

       ■□■ 講演会 詳細 ■□■

【開 催 日】 12月4日(土)

【時   間】 15:00~16:30(90分)

【受   付】 14:30~

【場   所】 毎日コミュニケーションズ 大阪マイナビルーム(18F)
        大阪市北区梅田二丁目2番2号 ヒルトンプラザ
        ウエスト・オフィスタワー18F

【定   員】 80名(先着)

【参 加 費】 世界遺産アカデミー会員・賛助会員           無料
        世界遺産検定認定者(当日認定証をお持ちください)  1,000円
               一般の方                            1,500円
    
【詳細/申込】
(本講演会は既に終了しました)

【講  師】森本公穣 氏
      東大寺塔頭清涼院住職、東大寺学園常任理事、
      東大寺福祉事業団理事

      東大寺二月堂修二会(お水取り)で練行衆として何度も参籠
      されると共に、東大寺学園の常任理事や奈良市の世界遺産学
      習推進委員会の委員などを兼任し、世界遺産教育にも力を
      入れている。平城京遷都1300年と光明皇后1250年御遠忌記念
      として東京国立博物館で開催されている特別展
      「東大寺大仏-天平の至宝-」でも法要や講演を行うなど、
      積極的に情報の発信を行っている。