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平等院 夏季特別展観 源頼政830回忌記念「無常という伝説」

(2014-12-18更新)

NPO法人 世界遺産アカデミーが推薦する、平等院の夏季特別展観をご案内します。
NPO法人 世界遺産アカデミー会員証、世界遺産検定認定証を平等院拝観受付にて提示された方に記念品が贈呈されます。

源頼政830回忌記念秘仏公開・三〇〇年目の吉辰、そして戦いという事実

特別展観「無常という伝説」


開催期間:平成21

6月6日()~平成21年10月16日()

●会   場:平等院ミュージアム鳳翔館

開催趣旨:

平等院の塔頭最勝院で静かに護られてきた不思議な仏像がある。
古くから源三位頼政公の念持仏と伝えられてきた通称「片袖の阿弥陀如来」である。
今回、美術院修理で、鎌倉期の古仏を、実直に模刻した意欲的な像であることが分かった。針葉樹の柔らかい芯木を使った一木で、当初の堅く流れる衣紋を忠実に再現しながら本像の後補である翻波文様まで写し取っている。

また美術院では、同じく伝頼政所持とされる甲冑一式を曝涼した結果、刻印から最も古い甲冑師初代春田光定が奉納したもので、組紐までが当初のまま残り、現在まで一度も修理されたことのない一級品であることが判明した。さらに鎧櫃の赤外線調査からは、願主が頼政の末孫に関わるものであることがわかり、制作の京蒔絵師の署名も確認された。 「祇園精舎の鐘の声」ではじまる平家物語は、常に変化し、移ろいゆく世界観が綴られ、無常観を背景に時代は流れてゆく。
源頼政ゆかりの地である平等院には、中世から江戸時代初頭にかけて多くの関係する宝物が奉納されている。その時代に生きる人々が仰ぎ、敬慕し、憬れたものはどのようなものであったのか。
今回、この秘仏と甲冑を中心に武家姿としてのこる備前少将継政筆の頼政像や公家像、文人としての側面をうかがうことのできる俊逸な和歌などを初公開し、頼政をめぐる仏・武具・絵画という全く異なるものから日本人の精神性と行動原理、さらに美意識をさぐる。

<主な展示品>
片袖阿弥陀如来立像   秘仏         初公開
伝頼政執持兜        室町前期      初公開
在銘甲冑鎧櫃        江戸初頭      初公開
頼政武家像         江戸中頭 初公開
頼政和歌 平安末
頼政合戦図
頼政自刃図

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●源頼政 平安時代末期、摂津源氏の流れをくむ武将。文人としての誉れも高い。治承4年(1180 )以仁王を奉じて平氏打倒に立ち上がるが、5 月26 日武運つたなく平等院にて辞世の歌を遺し、西に向かい念仏を唱えながら自刃している。 平家物語の一節であるが、もののふの祖とも称され、自刃の場は現在古跡”扇の芝”としてのこる。

伝頼政念持仏 片袖阿弥陀如来立像 本像は、立像では通常あまりみられない偏袒右肩をしめし、肉身は金泥彩、衣は墨による古色仕上げである。針葉樹という柔らかい素材に鎌倉前期と思われる元像の堅い壇像を意識し、裙には後補された菩薩像に使う翻波式を一木造りにて実直に再現している。
長く平等院塔頭最勝院秘仏として伝えられ、本年、三〇〇年に一度の開帳の吉辰にあたる。
おそらく、古くから伝えられていた霊験あらたかな仏像が大きく毀損し、江戸時代初頭に、元像のそれまで修理されてきた箇所も全て写し取って造像されたものと思われ、当初は逆手来迎印の可能性もある。

●伝頼政執持兜 鉄製 鉢内に「南都住春田光定作」と銘があり、室町時代に奈良を拠点とした著名な甲冑師・初代春田光定が南都の大寺院に奉納した1具。現在、法隆寺・長谷寺に伝来し3例目、奈良県外では初めての発見である。鎧櫃とあわせて、当院頼政伝承に関連して平等院に伝来する。扁平なカボチャのような形をした阿古陀形の鉄製兜は春田派の特徴で、華美を廃した実用品として武士が台頭した時代に広く用いられた。これと一具として納められていた鎧は、実戦使用された胴丸で、兜と同時期の室町期のものであるが元々対をなすものではない。草摺に、製作当初の組紐がのこり大変貴重である。

●鎧櫃  漆工付蒔絵 脇に記される江州高田氏とは、元禄期幕府の諸家調査『寛政重修諸家家譜』により、源頼政3代目から高田を名乗った旗本の家柄であることがわかる。末孫として、頼政に関係する兜と考え鎧櫃を新調したのであろう。今回、赤外線調査により、底面に「京極通圓福寺前請負人鑑屋兵衛豊六願主高田氏細工人□則蒔繪師大嶋氏全盈」と書されていることが発見された。近世、京都の蒔絵師の実体をしることのできる貴重な資料である。正面の竜胆紋(りんどう)は、のちに清和源氏の家紋として流通する。

源頼政武家像  絹本著色 自刃する直前の武人姿の頼政像。宝暦2 年(1752)、備前国岡山藩の第3 代藩主・左近少将池田継政(1702~ 1776)の作。善政を敷いた名君であるとともに文人としても知られ、書・絵画にも通じていた。池田家は代々岡山藩の藩主をつとめた家柄で、その出自
は源氏にあると言い、頼政の末裔と称す。その縁で当院に伝わった作品である。
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【問い合わせ】問い合わせ: 平等院学芸員 谷本啓/太田亜希  ℡:0774-21-2861