今回は『紀伊山地の霊場と参詣道』について、中でも、熊野三山のひとつ「熊野速玉大社」のある“新宮(しんぐう)”という街と“世界遺産との関わり”について書かせてください。
『紀伊山地の霊場と参詣道』は、日本の世界遺産で初めて“道”が登録されたものであり、文化遺産のカテゴリーの中でも、「文化的景観」にも日本で初めて選ばれた世界遺産です。和歌山・奈良・三重にまたがる3つの霊場(吉野・大峰、熊…
野首集落跡と旧野首教会堂
コロナ禍の影響で旅行どころか外出もままならないので、自宅で古い映画のDVDを引っ張り出して視聴する機会が増えました。ある日、日本映画『火宅の人』(東映1986年公開/原作:檀 一雄、監督:深作 欣二、主演:緒形 拳)を久しぶりに見直しました。著名な作品なので内容には触れませんがストーリー展開の中で世界遺産に関係する場面がありました。主人公の男性作家が知り合いの東京のホ…
『セレンゲティ国立公園』より大移動を開始するヌーの群れ
私の旅人生を振り返ると、人類共通の宝物である目に見える「世界遺産」との出会いも印象的でしたが、それ以上にそこで出会った人との出会いや周囲の自然に溶け込んだ文化的背景が素敵な「想い出」として心に残っています。そこで、私は現地の人から直接聞いた話と世界遺産に接した際に感じた直観をもとに、その「世界遺産が登録されるに至った歴史的背景や真に守…
※PCでご覧の方は、こちらもどうぞ。
このたび、世界遺産アカデミーでは、琴平バス株式会社との協働で、「Zoom」を使用したオンライン世界遺産バスツアー『世界遺産・石見銀山 大久保間歩と伝統芸能・石見神楽』を実施いたします。
新型コロナウイルス感染拡大の中、対面でのイベント開催は難しい現状が続いています。
WHA会員の皆様に少しでもお楽しみいただければと思い、企画いたしました。
どうぞ奮…
本日は、東京都内唯一の世界文化遺産「国立西洋美術館本館」について、書かせていただきたいと思います。国立西洋美術館、設計者は近代建築の三大巨匠のひとりである、ル・コルビュジエ氏です。世界遺産としては、『ル・コルビュジエの建築作品-近代建築運動への顕著な貢献-』という、一連のコルビジュエの建築作品群の“シリアルノミネーション・サイト”として2016年に登録されました。この「ル・コルビュジエの建築…
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このたび、世界遺産アカデミーでは、琴平バス株式会社との協働で、「Zoom」を使用した
オンライン世界遺産バスツアー『世界遺産・石見銀山 大久保間歩と伝統芸能・石見神楽』を実施いたします。
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WHA会員の皆様に少しでもお楽しみいただければと思い、企画いたしました。
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姫路城 修理後の大天守
例えば「三猿の表情が変わってしまった」という件に関しては作業を担当した技師長は「ゼロから(職人が:筆者注)書き直す以上、先の太さ、筆のタッチなどが最終的に個人の力量や個性になるのは事実」とし、ある時には現場の監督者の意向で従来と全く違う色で塗り直したという記録もあるとのことです。また日光東照宮の調査を担当し、平等院鳳凰堂の修復にもかかわる龍谷大学の北野信彦教授(文化…
日光東照宮 平成の大修理後の陽明門
日本における近代資本主義の「生みの親」といわれる渋沢栄一を描いた今年のNHK大河ドラマ「青天を衝け」では今までにない新しい演出が試みられています。ドラマのどこかで登場する「こんばんは、徳川家康です(演:北大路欣也)」のことです。今までの大河では考えられない演出です。渋沢栄一の誕生より237年ほど前に江戸幕府を成立させた人物が幕末ドラマのナレーションという…
屋久島は島の90%が森林で、1,000年を越える樹齢を持つ「屋久杉」や、もののけ姫の舞台になったと言われる「白谷雲水峡(しらたにうんすいきょう)」など、豊かで美しい自然景観が魅力の島だ。尚、島に生えるスギの中でも、標高が500mを超える山地に自生し、樹齢が1,000年を超えるものが屋久杉と呼ばれていると昨年訪れた現地で教えていただいた。
島のほぼ中央にそびえ立つのが、九州の最高峰となる…
沖縄の文化遺産である首里城が火災で焼失したという2019年10月末のテレビニュースは、まだ記憶に新しい。そのニュースでは、首里城の火災は今回が初めてではなく、過去にも4度火災にあったと報じていた。また、首里城全体の復元が完成して間もなかったということを聞いて驚いた。当然それまでに修復作業がなされてきたわけだが、ようやく復元した貴重な文化遺産がまた焼け落ちてしまったという衝撃と落胆を、ニュ…