世界遺産登録の舞台裏がわかる『世界遺産ビジネス』
世界遺産に関心のある方、世界遺産を学んでいる方に今おすすめの一冊をご紹介します。
【書 名】『世界遺産ビジネス』(小学館新書)
【著 者】木曽功
【定 価】740円+税
【発売日】2015/7/31
<本の内容>
本書は世界遺産外交の最前線に立ってきた著者が、
登録に至るまでのハードルや駆け引き、そこから生じる問題点を明らかにする。
法隆寺登録の際に、石造りの文化財を価値基準とするイコモスの専門家たちと繰り広げた大論争、
一時は危なかった和食の無形文化遺産登録を成功させた作戦とは……など、興味深いエピソードが続く。
登録されると多くの観光客が訪れ、世界遺産は巨大ビジネスになった。
そのため、本来の理念とは別な次元の問題が生じている。
登録のためのユネスコ内部でのロビー活動、
イコモスの評価を無視した逆転登録などが頻発しているのだ。
さらに、『明治日本の産業革命遺産』での韓国との攻防にも触れ、政治の介入に警鐘を鳴らす。
小学館・担当編集者の方のコメント
この本は、著者の木曽氏ならではの世界遺産の「舞台裏」が綴られています。
私は原稿を読むにつれ、世界遺産への関心がますます強くなりました。
「この世界遺産が登録されるまでに、関係者のこんなご苦労があったのか」と思うと、
もっと真剣に世界遺産に向き合おうという気持ちになります。
そして、日本にはまだまだ、世界遺産に相応しい文化財が多数あることも再認識しました。
「一見がっかりするような世界遺産でも、
そのストーリーや精神性を知ると、静かな感動に押し流される」と著者は言います。
すでに世界遺産に強い関心をお持ちの皆さんも、
本書でまた別の視点から世界遺産への興味を持っていただけるのではないかと思います。
世界遺産アカデミー主任研究員・目黒正武もおすすめ!
何と刺激的なタイトルでしょう??
世界遺産でビジネスを成功させるノウハウ書なのでしょうか?
いいえ、違います。
2015年の世界遺産委員会(ボン)に日本政府代表として出席し、
「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」
の世界遺産登録に立ち会った著者、木曽功氏が世界遺産委員会の
舞台裏も含め、世界遺産活動の現状を赤裸々に語っています。
皆が知らなかった事実や出来事も数多く紹介されています。
世界遺産が好きな方、世界遺産に興味を持っている方、
そして世界遺産検定に向けて勉強中の方、
さらには、世界遺産に否定的な方にもおすすめの一冊です。
ぜひ多くの方々にご一読いただき、これからの世界遺産がどこに向かうのか、
ご意見をお聞かせいただきたいと思います。
本書のさらに詳しい情報はこちら(小学館サイト。目次が見られます)