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◆世界遺産クラブ通信◆「日光の社寺修復現場見学会」報告－１

（2014-12-18更新）

【日光の社寺修復現場見学会】
大成功のうちに無事終了しました！

日光駅にてバスを待つ世界遺産クラブ（以下WHC）では、発足以来、日本の世界遺産の継承に役立つ何らかの可能性を考えたいという趣旨から、<現場研修>を活動の一環にしたいという強い希望がありました。そしてこのたび、記念すべき第一回目のプロジェクトである「日光の社寺修復現場見学会」が実現。当ブログにて、その企画段階から見学会当日、施設概要と修復技術、参加者から寄せられた感想なども交えて、紹介いたします。これから数回に分けてアップしていきますので、最後までお読み逃しなく！
（写真右：見学会当日、日光駅にてバスを待つ参加者）
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（決して平坦ではなかった）
実施確定までの道のり

「WHCで研修旅行でも・・・」という話が持ち上がったのは、春の幹事会。それはいいねぇ、と盛り上がるも、仮にもクラブ名に「世界遺産」を冠するのだから、それなりに「らしい」旅でなくてはなりません。「そうだ！ちょうど今、日光で『平成の大修理』が行われているので、その現場を見学してみては？」と閃く小六会員に続き、「日光なら、仕事でよく外国人を案内してますよ」と志水会員。さらに小川会員が「ついこないだも孫連れて行きましたよ、日光」と心強い発言。かくして即日満場一致で、WHC企画初プロジェクトが始動した。（写真：東照宮修理現場全景）

とはいえ、平成の大修理を見学するには、どこに頼めばよいのか。インターネットなどで調べて、日光市生涯学習課と、（財）日光社寺文化財保存会を発見、前述の”言い出しっぺトリオ”が日光市へ向かう[6月30日]。東武日光駅到着後電話した生涯学習課は今市にあることが判明。急遽下今市まで一駅戻り、生涯学習課文化係長の鈴木氏に面会できたものの、唐突に見学許可を迫る”トリオ”は訝しげな視線を浴びる。そもそもWHCとは、というところから始めて、活動趣旨、見学意図などを一所懸命説明し、「わかりました。私が保存会の浅尾主任に連絡しておくので、明日あらためて電話してみてください」と鈴木氏に言っていただくまでに40～50分。はぁ～これで日光まで来た甲斐ありと、帰路の車中でささやかな祝杯をあげる。

――ここからは主に小六会員の奮闘記
翌日、保存会の浅尾工事主任に電話。了解を得ると同時に見学会は11月20日に決定。しかし、日光社寺文化財保存会は東照宮・輪王寺・二荒山神社からの委託で保存修理関連の仕事をしている立場ゆえ、各社寺宛てに見学許可願を出す必要がある。急ぎ申請するが、WHCは法人ではないという理由で許可が下りない。そこで、世界遺産アカデミー小原事務局長にご協力願い、アカデミーの名で再申請、ようやく全ての許可が揃う[7月中旬]。

夏が過ぎ、検定試験も終え、保存会へ確認FAXを送る。真夜中になって、修理現場を案内してくださる漆塗専門技術主任・佐藤則武氏から「当日、12時50分に五重塔前で会いましょう」と書いてあるFAXを受け取るに至り、やっと見学会の実現を確信[10月21日]。

さて、貴重な修復現場を体験できることになったものの、見学対象である漆塗りについて何も知らないで行くのでは、先方にも失礼だし、WHCのプライドが許さない。より実り多い見学会となるよう勉強しておこう・・・だが、漆工芸の本はあっても、建造物の漆塗りに関する資料は見つからない。再び佐藤氏に問い合わせ、佐藤氏自身が寄稿された「日光の建造物漆塗り修復」という記事を入手。早速、資料としてまとめ、参加予定者とともに事前勉強会を実施する[10月26日]。

2008年11月20日（木）
いざ、出発！

車中で勉強一方、見学会のタイムスケジュール、一泊コースの宿泊先などは小川会員により全て段取り済み。まさに準備万端の参加者11名は、当日の朝、快晴の浅草を出発。車中では小学生の遠足よろしく和やかな雰囲気。でも直前勉強にも余念なし。